こんばんは、持田デス
もう、何年も前の話ですが・・・。
私が、住宅の仕事を始めて最初のお客様のお話。
土地からお探しの計画のお客様です。
当時、色々と詳しい先輩にアドバイス頂きながら、いたらないなりに精一杯そのお客様のお手伝いをさせて頂いておりました。
頑張った甲斐あってか、私の探してきた土地のご提案を気に入って下さり、その土地でマイホーム計画を進めたいと決断してくださいました。
大変喜んでいた私でしたが、その日の晩連絡があり、両親に報告したところ
お父さん『いくつ土地を見たんだ?』
ご主人『3物件案内してもらった。』
お父さん『もっと他にも土地を見せてもらってから決めたほうがいいんじゃないか?』
というアドバイスがあったとのことでした。
お父さんのアドバイスを無碍にするのも・・・。ということで先輩にも相談して、気に入った土地との比較も含めて1週間後改めて土地をご案内することにしました。
早速、気に入った土地を紹介してくれた不動産業者さんには1週間待って頂けるように地主さんにお願いしてもらえるようにお話ししました。
不動産業者さんは快く引き受けて下さり、『今日はもう遅いので明日地主さんに相談してお返事しますね。』ということでした。
翌日、
不動産業者さんから連絡があり、
不動産業者さん『地主さん、熊谷市○〇の土地。購入したいという方がいるんですけど、結論出すのに1週間待ってほしいそうです。』
地主さん『1週間?ヤダ。』
不動産業者さん『1週間後には、はっきりしますから他の人に売らないで待ってもらえないでしょうか?』
地主さん『他に買いたいという人が現れたのに断って、おたくの買いたいと言ってる人がやっぱり買わないというようになったら嫌だから。』
というやり取りがあり地主さんに待ってもらえなかったとのこと。
不動産業者さんの話では土地はそう簡単に売れないから1週間くらいなら大丈夫でしょうと言われ、私は少し不安になりながらも早く1週間が過ぎないかと次の打ち合わせを待っておりました。
1週間後。
比較物件をご案内して、やはり先週気に入った土地が一番良いということになり満を持してそのお気に入りの土地を申し込むべく不動産業者さんに連絡しました。
不動産業者さん『・・・・。』
『持田さん。・・・。・・・。すみません。』
『タッチの差で、売れてしまいました。』
私『えっ。・・・なんで?』
『ウソでしょ。』
・・・。
私『〇〇様。すみません。あの土地売れてしまったそうです。』
その時のお客様のショックを受けた表情は今も忘れられません。
『しょうがないですよ、実際決めなかったのは私たちですから、あの土地とは縁が無かったんですよ。持田さんは悪くないです。』とおっしゃってくださいました。
その時私は、【もっと良い条件の土地を探して見せる。必ず他に良い土地を探してくる。】と決意してその後土地探しを繰り返し、ご提案しましたが1か月が過ぎてもあの土地以上に良いと思える土地を提案することができず、このお客様はさらにこの1か月後、建売住宅を購入されました。
その旨を伝えるお手紙をいただきましたが、私に対する感謝の言葉が沢山ありました。
私は書かれていた言葉を皮肉ではなく、本心だと受け止めましたが、正直私は感謝していただけることなど何もしていないと涙がこぼれたのを覚えております。
【なんでもっと強く後押しできなかったのだろう。】
こんな、昔のお話。
今ではこんな悔しい思いをお客様にさせることもなくなりましたが、正直思い切って後押しするのも私自身覚悟が要ります。
ですが、これまでの経験から思い切って決断されたお客様から幸せになっていると感じる今では、まずは私が自信を持って良い土地だとご提案することが大事だと考えております。
同じ土地は2つありません。
自分が良いと思える土地は他の人も良いと思っているかもしれません。
土地を買うということは簡単には考えられないと思いますが、良い土地とお客様が巡り会い安心して決められるお手伝いを私たちがやります!
それと、ご両親様に報告が必要なら早めにお話しておかれることをお勧めします。
必要あらば、ご両親様と直接お会いしてご安心いただくこともありますし、そのほうが私としては嬉しいですね。
昔を思い出してちょっとしんみりした私でした